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北海道大学中央キャンパス総合研究棟2号館4階205号室

研究概要RESEARCH

振動・聴覚器官の周波数弁別能および自律振動増幅に関する研究

 学振海外特別研究員時代に着手し、現在も継続中の課題です。コオロギの振動・聴覚器官は脊椎動物よりはるかに小さく(<200μm)、感覚細胞の数も少ない(70個)ですが、ヒトよりも広い可聴域(500-20kHz)を持ちます(図1)。個々の感覚細胞は固有の周波数特性を持っていますが、この構造的基盤は理解されていません。私は聴覚器官を構成する感覚細胞の軸索がグループごとに中枢の異なる領域に投射すること、透過電顕観察により、個々の感覚細胞の刺激入力部位(樹状突起)やそれをとりまく細胞(付着細胞)の微細構造にも違いがあることを明らかにしました(図2)。
 コオロギ聴覚器の三次元構造の観察を進めた結果、1)鼓膜による音の検出、2)気管による音圧増幅、3)流体の生み出す進行波による周波数弁別、の3つのプロセスが寄与し、その動作原理が哺乳動物の聴覚情報処理の初期過程と酷似していることを明らかにしつつあります。また、原子間力顕微鏡を用いた細胞の粘弾性計測の第一人者である岡嶋孝治教授(北大・情報科学研究科)の協力を得て、聴覚器の自律振動増幅や、付着細胞の共振周波数についての分野横断的な研究を進めています。
実験成果の紹介はこちら↓
コオロギはヒトと似た構造の耳をもつ



図1.コオロギの聴覚器官(マゼンタは感覚細胞)       図2.原始的なキリギリス(ウェタ)の聴覚器官
                                (色分けした細胞は付着細胞)


図3.ウェタ Hemideina femorata



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