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JSPS研究拠点事業 プロジェクト概要

本プロジェクトは、日本で最先端かつ国際的に重要と考えられる研究分野における、世界的な研究拠点を創出することを目的としています。

本プロジェクトでは、日本、ベルギー、オーストラリアの3コアラボを中心とした先端研究拠点ネットワークを形成し、単一細胞レベルの生物物理学を中心としたナノライフサイエンス研究分野の大きな発展のための研究拠点形成を目指します。

特に3次元細胞組織における細胞間コミュニケーションや細胞外因物質への細胞応答に関する理解を推進する分野横断型の国際的学術共同研究拠点を確立することを目的としています

この達成のために上記3コアラボを中心に各地域の研究グループ群から構成される研究ネットワークによる綿密な国際連携を行い、3次元細胞組織内における1分子・1細胞レベルの生物物理化学研究に関して各拠点が有する世界最先端技術と一線級の人材交流を基にした盤石な国際研究ネットワークの構築を行っています。

近年のライフサイエンス研究の進歩に伴い、生命現象の根本理解を行う上での細胞組織内における1分子・1粒子の挙動と作用の解明への重要性が注目されています。例えば、薬剤や遺伝子材料、シグナリング分子と細胞群との相互作用、再生医療などで鍵となる細胞組織構築に欠かせない細胞間コミュニケーション、細胞外マトリックスと細胞との相互作用ダイナミクスの理解などが、あらたな治療法や医薬品開発に重要な知見を与えます(図1)。

本事業では、各拠点機関が有する世界最先端技術(北大の単一細胞内分析技術や光子顕微技術、ルーヴァン大学の新規3次元1分子蛍光顕微技術や人工細胞外マトリックス、メルボルン大学のナノ材料)を中心とした相互交流と共同研究遂行を行っています。これらの拠点を基点に、1分子・1ナノ粒子動態・細胞間相互作用の学際融合的な総合理解と新たな学理の確立を担う盤石な拠点形成を達成を目指します。これと同時に、本拠点形成に立脚して当該研究分野において世界を先導する次世代リーダー人材の育成を行っています。

図1 細胞間、細胞—細胞外マトリックス間に存在する様々な相互作用。