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電子研について

所長挨拶

電子科学研究所所長 太田 裕道(オオタ ヒロミチ)

北海道大学電子科学研究所は、1943年に超短波研究所として開設され、その後1946年に応用電気研究所へ改称、1992年に現在の電子科学研究所へと改組されました。80年以上の歴史を有する当研究所は、時代の変遷とともに進化を遂げ、「新しい学際領域を開拓すること」を使命として、光科学、物質科学、生命科学、数理科学の分野を横断した最先端の研究を推進しています。

私たちの研究は、単なる学術的探求にとどまりません。持続可能な社会の実現に向け、エネルギー効率の向上や環境負荷の低減に資する材料やデバイスの開発を進めています。1973年には、附属電子計測開発施設(現在の附属グリーンナノテクノロジー研究センター)を設立し、次世代の環境調和型技術の創出に注力してきました。また、2015年には、数理科学研究分野を統合する形で附属社会創造数学研究センターを発足させ、数理科学を活用した新しい研究領域の開拓にも取り組んでいます。

基礎研究を大きな学際的研究領域へと発展させるには、共同研究の推進が不可欠です。当研究所は、2009年より文部科学省認定の「物質・デバイス領域ネットワーク型共同研究拠点」に参画し、東北大学多元物質科学研究所、東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所、大阪大学産業科学研究所、九州大学先導物質化学研究所とアライアンスを締結しました。以来、国内外の研究者と年間400件以上の共同研究を展開し、多くの革新的な研究成果を生み出しています。さらに、欧米やアジアの大学との学術協定を通じ、国際的な研究ネットワークの構築や若手研究者の育成にも力を入れています。

また、当研究所は教育にも積極的に関与しています。北海道大学の情報科学院、環境科学院、生命科学院、理学院、総合化学院と連携し、大学生および大学院生に対して学際的な視点を持つ研究指導を行い、次世代の研究者の育成を支援しています。

科学技術の発展は、私たちの未来を形作る原動力です。電子科学研究所は、これからも既存の枠組みにとらわれない自由な発想を尊重し、新しい知識と技術の創造を続けていきます。そして、その成果を社会に還元し、持続可能な未来の実現に向けて貢献してまいります。皆様の変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。

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