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多自由度ハミルトン系における不変多様体を用いた遷移率の計算

掲載日:
講演会
日時 平成21年5月20日(水) 11:00–12:00
場所 電子科学研究所 1階 セミナー室1
講演者 山口義幸氏 (京都大学大学院 情報学研究科 数理工学専攻 数理物理学講座 力学系理論分野)
タイトル 多自由度ハミルトン系における不変多様体を用いた遷移率の計算
概要

ポテンシャルの峠を境に2つの異なった状態を持つ系を考える。例えば化学反応系では、峠の片側が反応物、もう片側が生成物に対応する。このような系では、与えられた初期状態が峠を越えられるかどうか、すなわち遷移するかどうかを知ることが重要となる。

十分発達したカオス系においては遷移率を統計的に近似することができ、反応状態理論やRRKM理論などが開発されている。しかしカオスが発達していない摂動系では、遷移率を求めるためには統計的理論ではなく力学的理論が必要となる。

力学的理論にはlobe pictureとtube pictureという2つの手法があり、双方とも不変多様体を用いた手法だがそれぞれに長所と短所がある。 Lobe pictureは、Melnikov関数を用いて遷移率の計算を実行できるが、一般に3自由度以上の系には適用できない。一方、tube pictureは3自由度以上の系にも適用できるが、Melnikov関数を用いる際に困難が生じる。

そこで本発表では、(1)lobeとtubeの関係を明らかにし、(2)2つの手法の長所を合わせた手法について考察する。また、得られた手法の妥当性を数値計算によって検証する。

共催 数学連携研究センター
連絡先 電子科学研究所 分子生命数理分野 寺本 央(内線 9436) teramoto@es.hokudai.ac.jp
備考等 第12回数学連携サロンを兼ねる
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