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「希土類錯体超薄膜の分子デザインと発光機能」Molecular design for the novel luminescent functionality of the ultra-thin molecular film with lanthanide complexes

掲載日:
講演会
日時 平成22年6月15日(火) 13:30–15:30
場所 電子科学研究所 セミナー室 2
講演者 長谷川 美貴 准教授 (青山学院大学理工学部化学・生命科学科)
タイトル 「希土類錯体超薄膜の分子デザインと発光機能」Molecular design for the novel luminescent functionality of the ultra-thin molecular film with lanthanide complexes
概要

分子の機能は、溶液や真空中で単分子で存在する時と、結晶化した時で異なる。LB法は1930年代に開発された単分子膜を固体の基板上に累積させる方法であり、結晶とは異なる整然とした分子配列が構築できる。最近、私どもは、脂肪酸を配位子としたランタニド錯体でLB膜を作製し、ランタニドの層と脂肪酸のアルキル鎖の部分(いわゆる疎水基の層)が交互に規則性をもって積み重ねることで、奇異な光化学現象を示す発光体を開発することに成功した。この構造は、SPring-8の放射光X線を用い明らかにした。疎水基の層に隔てられた金属イオン層間距離は約50Åである。また、LB膜累積時に水相にあらかじめπ系の有機分子を溶解させておくと、自己会合的に疎水基の層に取り込まれる。LB法による薄膜化の効果は、金属層が自己会合により挿入された分子の電子状態に強く相互作用し、たとえばπ系の励起三重項状態の安定化(重原子効果によるスピン制御)や、配向特異性による多重偏光発光(金属からの距離依存性)などとして現れる。

連絡先 光電子物性研究分野 太田 信廣 (内線 9410)
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