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SPring-8コヒーレントX線が可能にする生物中心教義RNA/RNPの網羅分子イメージング

掲載日:
講演会
別所義隆
(理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター チームリーダー)
日時: 平成23年 1月27日(木)16:30 – 17:30
場所: 電子研新棟1F 会議室

タンパク質の生合成は、リボソーム上でmRNA塩基の遺伝情報を、遺伝暗号表のもとにアミノ酸に変換するシステムであり、全ての細胞内分子システムのかなめにある。tRNA分子が、遺伝情報の解読因子として、タンパク質合成の中心的な役割を担っている。アミノ酸を正確に変換するため、tRNA分子は微細構造の多様性が要求され、DNAから酵素合成された後、様々なプロセシング酵素により、修飾やトリミングを受け成熟化する。タンパク質合成に関与するタンパク質酵素は、必須のものだけでも200種類以上あり、それぞれが正しい時空順列で反応すると予想される。RNA機能を推定解明するために、相互作用分子との複合体構造から、多大な情報が得られる。しかしながら、再構築すべき生体分子複合体の組み合わせは莫大で、それぞれが脆い難ターゲットであるので、従来の方法では、その目的に到達することが難しい。細胞内分子システムを効率良くイメージングする技術の開発が切望されている。大型放射光施設SPring-8では、X線領域の波長を持つレーザー(XFEL)施設を開発建設中で、その位相の揃った(コヒーレント)X線ビームが、結晶化していない生体高分子から直接観察像を得るために利用できると期待されている。また、XFELの超短パルス(フェムト秒)という特徴から、生体分子の超高速現象が観測される可能性も考えられる。セミナーで、タンパク質合成システムの構造機能解析に関連して、SPring-8サイトに建設中のX線自由電子レーザー施設(XFEL/SPring-8)の概要と、その生物利用のためのX線測定新技術開発状況を紹介する。

上記のとおり講演会を開催致しますので、皆様奮ってご参加下さい。

連絡先:
北海道大学 電子科学研究所
西野 吉則 (内線9354)

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