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スピンホール効果とトポロジカル絶縁体

掲載日:
講演会
村上 修一 先生
(東京工業大学大学院理工学研究科 准教授)
日時: 平成23年 5月31日(火)11:00 – 12:00
場所: 電子科学研究所 新棟1F会議室

スピン流はスピンの流れであり、特に電荷の流れを伴わないスピン流を純粋スピン流と呼ぶ。純粋スピン流は時間反転操作に対し不変であるため、非磁性体であってもスピン流に起因する非自明な物理が期待される。その例がスピンホール効果やトポロジカル絶縁体である。本講演ではスピンホール効果[1,2]およびトポロジカル絶縁体[3]についての基本的な性質と原理について解説した後、これらについての我々の理論研究の結果について述べる。こうした現象はスピン軌道相互作用に起因するものであり、重い元素を含む物質において大きくなる。スピンホール効果は種々の半導体および金属で観測されていて、特にPtでは室温でも大きなスピンホール効果が観測されており、この結果は第一原理計算から説明することができる。このPtにおける大きなスピンホール効果は、種々の金属や絶縁体中のスピン流を測定するためのプローブとして使われ始めている。

またトポロジカル絶縁体では、試料の内部は絶縁体であるが、その系のエッジや表面に金属的の状態が必ず現れると言う特異な量子状態である。このエッジ・表面状態に関する物性や輸送特性について、最新の研究動向を交えながら報告する。

  • [1] 村上修一, 永長直人,「スピンホール効果の原理と応用」, 応用物理75, 342 (2006)
  • [2] 村上修一,「スピンホール効果とスピンエレクトロニクス」, 日本物理学会誌62, 2 (2007)
  • [3] 村上修一, 平原徹, 松田巌, 「トポロジカル絶縁体の物理」, 日本物理学会誌 65, 840 (2010)

上記のとおり講演会を開催致しますので、皆様奮ってご参加下さい。

主催:応用物理学会北海道支部

連絡先:海住 英生(内線9425)
近藤 憲治(内線9424)、石橋 晃
量子機能素子研究分野

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