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電子スピン非局在型の炭素中心中性ラジカルの設計・合成と基礎物性

掲載日:
講演会
講師 森田 靖 氏 (大阪大学大学院理学研究科・准教授)
日時 平成26年3月10日(月) 14:00 – 15:00
場所 電子科学研究所1階会議室
講演題目 電子スピン非局在型の炭素中心中性ラジカルの設計・合成と基礎物性
講演要旨

ベンゼン環が縮合した平面シート状の巨大なπ共役型炭化水素であるグラフェンをzigzag 型に三角形に切り出すとフェナレニルやトリアンギュレンと命名されている6員環構造体の縮合体である一群の炭化水素が設計できる。いずれも Kekulé構造(閉殻構造)が描けず、不対電子を有する non-Kekulé型の奇交互π共役型炭化水素に分類できる中性ラジカルであり、「開殻グラフェンフラグメント(open-shell graphene fragment)」と我々は命名した。電子スピンは3回対称性を有する分子骨格全体に広く非局在化していることが量子化学計算から示唆されており、「電子スピン局在型」構造を有するニトロキシド型中性ラジカルとは本質的に異なっている。

我々は、開殻グラフェンフラグメントに興味を持ち、新しい分子骨格や電子スピン構造を有する安定な炭素中心中性ラジカルの設計・合成に挑戦してきた(synthetic organic spin chemistry)。その結果、空気中でも安定に取り扱うことが可能な一群の誘導体の合成に成功し、基礎物性の解明と電子機能材料・蓄電デバイスへの応用や量子情報処理に関わる斬新な化学的実験結果やアイデアを発信してきた。講演会では、これらの設計・合成と基礎物性について報告する。

主催 電子科学研究所学術交流委員会
共催 日本化学会北海道支部
後援 応用物理学会北海道支部
問い合わせ先 電子科学研究所グリーンフォトニクス分野 三澤 弘明(内線9358)
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