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色素増感型太陽電池用高性能増感色素の開発

掲載日:
講演会
講師 三浦 偉俊 博士 (株式会社ケミクレア・取締役 研究開発センター長)
タイトル 「色素増感型太陽電池用高性能増感色素の開発」
日時 平成26年9月29日(月) 16:00–17:30
場所 北海道大学、電子科学研究所 セミナー室 2 (1階)
概要

次世代太陽電池のひとつである色素増感型太陽電池(DSC)の早期実用化のためには、高性能化とコストダウンを達成する新規な増感色素の開発が必須である。増感色素の先駆けとなったルテニウム系色素は、変換効率・耐久性ともに優れ、変換効率13%を超す組み合わせも報告されている。しかしながら、ルテニウムは年間採掘量35t・回収量10tという希少金属であり原料コストが高い。さらに、高い性能の発現は酸化チタン電極との組み合わせに限られており、酸化亜鉛など他の電極材料との汎用性が低い。このため、希少金属を含まず広範な条件において高い性能を発揮する新規な増感色素、とりわけ有機色素の開発が強く要望されている。有機色素開発の歴史は比較的浅く、2003 年に酸化チタン電極で初めて7.7%を達成したクマリン系色素NKX-2677(林原、産総研-原氏)を嚆矢とする。この技術は2009 年のMK-2色素(産総研-甲村氏)の8.3%にグレードアップされ、ついでインドリン色素D205(三菱製紙、兵庫県立大-伊藤准教授)の9.52%を経由して、ポルフィリン系色素YD2(11%)も開発された。また最近では、ヨウ素系電解液をコバルト系電解液に変更し、さらに色素に新規アンカー基を採用することで高性能化が達成されている。

本講演では、分子設計を中心として有機色素の開発戦略を紹介する。

連絡先 北海道大学・電子科学研究所 分子光機能物性研究分野
太田 信廣 (011-706-9410) (北大内線9410)
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