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鉄系超伝導体11系における超伝導化の秘訣

掲載日:
講演会
日時 2014年12月10日(水) 15:00–16:00
会場 電子科学研究所 1階 会議室
演題 鉄系超伝導体11系における超伝導化の秘訣
講師 高野義彦先生 (物質材料研究機構 ナノフロンティア材料グループ グループリーダー)
講演要旨

鉄系超伝導体の中で最もシンプルな結晶構造を持つ11系は、鉄とカルコゲンの化合物であり、FeSeやFeTeに代表される層状物質である。層間にわずかに過剰な鉄が存在することが知られており、その過剰鉄が超伝導を抑制していると考えられている。過剰鉄は、FeSe側で極少なく、FeTe側で9%程度存在すると考えられている。FeTeに、SeまたはSをドープしていくと、10-20%ドープした時点で超伝導が現れはじめるが、過剰鉄が不均一に分布しているため、超伝導になる部分と成らない部分が混ざり合った弱い超伝導状態と成り、バルクな超伝導が実現できないという問題がある。そこで、我々は、酸素アニール、硫黄アニール、有機酸アニール、そして、酒アニールすることにより、過剰鉄の効果を抑制しバルクな超伝導を実現する事に成功した。講演では、様々なアニール法を考案した背景をお話ししつつ、超伝導化の秘訣をお話ししたい。

参考文献 岡崎宏之、出口啓太、高野義彦、固体物理 Vol.48, No.9, 2013.
連絡先 北海道大学 電子科学研究所 光電子ナノ材料研究分野
西井準治(内線9377)、海住英生(内線9349)
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