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受賞
4月15日、文部科学省にて表彰式が行われ、表彰状と楯が授与されました。
業績名 | プラズモニック化学とその人工光合成への展開に関する研究 |
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業績の概要 |
光と分子との相互作用は元来弱く、単一光子を通常の吸収断面積を有する分子に完全に吸収させるためには約 1 千万個の分子が必要であり、少ない物質量により高効率な光エネルギー変換を実現する革新的なシステムの構築が強く求められていた。 本研究では、幅広い波長の光をナノ空間に閉じ込める機能を有する金属ナノ構造体を独自に開発し、光と分子を効果的に相互作用させる光反応場(プラズモニック反応場)として用い、非線形光反応を駆動するシステムに展開した。さらに、プラズモニック反応場を搭載した半導体電極による光電変換や人工光合成システムも構築した。 本研究により、全ての可視光を利用し、水を電子源として水素やアンモニアを合成することに成功した。また、本人工光合成では半導体基板の表面と裏面をそれぞれ酸化サイト、還元サイトとして空間的に分離することにより、生成したエネルギー物質の水素やアンモニアを酸素から完全に分離・回収することにも初めて成功した。 本成果は、従来の人工光合成においてボトルネックとなっていた利用波長の拡大、および生成物の分離を解決したところに極めて大きな意義があり、水素社会の実現に寄与することが期待される。 |
主要論文 |
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文部科学省HP | http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/04/__icsFiles/afieldfile/2015/04/08/1356509_01.pdf |