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第45回 北大MMCセミナー

掲載日:
講演会
日時 2015年7月31日(金) 16:30–18:00
場所 電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館 5F北側講義室(北12条西7丁目)
講演者 田中 吉太郎
所属等 明治大学大学院先端数理科学研究科
タイトル 反応拡散系モデルによる葉序形成機構の考察
概要

植物の茎に見られる葉や花,種の並びは葉序と呼ばれ,古くから研究されている.葉序の中には螺旋模様をあらわすものがあり,例えば,ひまわりの花を観察すると,花の並びに右回りと左回りの二つの方向をもった螺旋を見出すことができる.この螺旋の本数は,多くの場合,連続するフィボナッチ数になっており,黄金比に関係していることが知られている.原基(花や葉の元となる器官)のいわゆる抑制効果を用いたモデルによって,新しい原基を存在する原基から離れるように配置することで,葉序パターンができることは経験則的に理解されている.中でもDouady氏とCouder氏の磁性流体の反発力を用いた物理モデルが葉序の十分な再現性を持っていることは知られている.しかしながら,近年の分子生物学の実験結果である,葉序を制御し活性因子の働きをもつ植物ホルモン,オーキシンとの関係性は不明であり,植物がどのような仕組みで新しい原基を存在する原基から離れるように配置しているのかは不明である.そこで,この問題を解決するために,我々はオーキシンの振る舞いを考慮したモデル方程式を構築し,数理的なアプローチで解析を進めた.縮約したモデル方程式で特異極限問題を考えることにより,植物ホルモンの濃度分布とDouady氏とCouder氏のモデルとの関係を明らかにした.

本講演では,モデリングと数理解析の結果について発表を行いたい.

主催 附属社会創造数学センター
連絡先 北海道大学電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター 人間数理研究分野
長山 雅晴 内線: 3357 nagayama@es.hokudai.ac.jp
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