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液中レーザープロセスを用いた球状サブミクロン粒子の作製

掲載日:
講演会
日時 11月19日(木)14:00–15:00
場所 電子科学研究所 1階 セミナー室1-2
講演者 辻 剛志
所属等 島根大院総理工
タイトル 液中レーザープロセスを用いた球状サブミクロン粒子の作製
概要

コロイド状のナノ粒子にレーザー光を照射した際に起きる蒸発や溶融は,高い汎用性を持つ粒径制御法として利用することが出来る。最近注目されているのが,Koshizaki,Ishikawa等が提案した液中レーザー溶融法(Laser Melting in Liquds,以下 LML法と略す)である[2]。この方法では,非集光の比較的低いフルエンス(フラグメンテーションが起きないフルエンス)のレーザー光を照射する。このような条件では,ナノ粒子の蒸発よりも溶融が支配的になり,また,表面張力によって球形化した溶融粒子が溶媒による急激な冷却によってそのままの形状で固化するため,なめらかな表面の球状サブミクロン粒子(Spherical sub-micron-sized particles,以下 SMP)が得られる。

講演者らは,液中レーザーアブレーション法と液中レーザー溶融法を組み合わせた金SMPの作製に取り組んできた(図1)。特に,原料ナノ粒子の作製に液中レーザーアブレーション法を導入したことはナノ粒子の凝集状態を制御することを容易し,SMPの生成メカニズムや生成効率向上に関する以下のような情報が得ることが出来た。

  1. SMPは,原料となるナノ粒子の凝集体が溶融して形成される。
  2. 保護剤によって安定化された原料ナノ粒子を用いた場合,凝集体の形成は,レーザー照射によって保護剤が脱離することによっても誘起される(図2)。このような「レーザー誘起凝集」を利用すれば,ナノ粒子のレーザー照射前の凝集と沈殿を抑制しながら凝集体が得られるので,SMPの生成効率が向上する。
  3. 液中レーザーアブレーション法によって原料ナノ粒子を作製すれば,保護剤にNaCl等の生体適合性の高い物質も使用可能である。
  4. 保護剤は,レーザー誘起凝集過程,および得られる SMP の粒径に影響を与える。

講演会では,これらの情報や,LML法を用いたランダムレーザー媒体としての酸化亜鉛SMPの作製について紹介する。

連絡先 藤原英樹、笹木敬司
北海道大学 電子科学研究所 光システム物理研究分野 (内)9395
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