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積層型磁性ナノワイヤにおける電流誘起磁壁移動

掲載日:
講演会
開催日:
日時平成28年9月30日 15:30 – 16:30
場所北海道大学電子科学研究所(北キャンパス総合研究棟5号館)1階セミナー室1-2
講演者小峰 啓史
所属等茨城大学工学部付属グリーンデバイス教育研究センター 副センター長
タイトル積層型磁性ナノワイヤにおける電流誘起磁壁移動
概要

情報通信にかかるトラフィック量及び消費電力の爆発的な増大は留まるところ知らず,高速動作可能な不揮発性メモリデバイスの開発は持続可能な社会を構築する上で急務の課題である.近年,電流及び電圧によるスピンの直接制御が盛んに議論されており,スピントランスファートルク(STT)効果を利用した高速情報記憶素子が研究されている.STTによるスピン制御デバイスとして,電流誘起磁壁移動を利用したMagnetic Racetrack Memoryが提案されている.Magnetic Racetrack Memoryは,逐次アクセスメモリであり,スーパーハイビジョン対応の映像情報に対応出来る高速メモリデバイスとして期待されている.また,磁壁の電流駆動およびナノワイヤによる3次元集積のアイデアは実用上興味深いばかりではなく,構造の工夫によって新しい情報処理素子の可能性も秘めている.

磁壁移動型デバイスの実用化のためには,低電力化,高密度化,高速化の課題を解決する必要がある.本講演では,我々が取り組んできた磁壁移動のための閾値電流低減[1],高密度ビットを達成するための積層構造[2]を紹介する.さらに,最近取組んでいる積層型磁性ナノワイヤによる磁壁移動高速化の可能性[3],及び,スピン軌道トルクを利用した高速化の可能性[4]について紹介する.

  1. T. Komine et al., J. Appl. Phys. Vol. 109, 07D503/pp.1-3, 2011.
  2. T. Komine et al., J. Appl. Phys. Vol. 111, 07D314/pp.1-3, 2012.
  3. T. Komine et al., J. Appl. Phys. Vol. 117, 17D512/pp.1-4, 2015.
  4. T. Komine et al., AIP Advances Vol 6, 056409/pp. 1-7, 2016.
主催北海道大学電子科学研究所学術交流委員会
共催応用物理学会北海道支部・エンレイソウの会
連絡先北海道大学 電子科学研究所 光電子ナノ材料研究分野 海住 英生(内線9349)、藤岡 正弥、西井 準治
備考本講演はH28年度物質・デバイス領域共同研究拠点事業の一環で開催されております。
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