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酸素発生型光合成を支える光化学系II膜蛋白質の結晶構造

掲載日:
講演会
開催日:
日時2016年10月3日(月) 13:30–14:30
場所電子科学研究所 創成科学研究棟4F セミナー室 C
講演者梅名 泰史
所属等岡山大学 異分野基礎科学研究所・特任准教授
タイトル酸素発生型光合成を支える光化学系II膜蛋白質の結晶構造
概要

酸素発生型光合成を行う植物や藻類の内部では,光化学系II膜蛋白質(photosystem II: PSII)が光エネルギーを電子エネルギーに変換し,炭水化物の生合成に必要な還元力として利用されている.この光化学反応の過程で水が酸化分解されて酸素ガスが発生し,現在の好気的な大気が維持されている.PSIIは20個のヘテロなサブユニット蛋白質と100個以上の大小様々な補欠分子群が結合した複合体膜蛋白質複合体として存在しており,水の酸化分解を行う活性部位にはMn4CaO5クラスターが触媒として存在している.我々は2011年にこのMnCa錯体の分子構造と周囲の反応基質となる水分子の存在を好熱性ラン藻由来PSIIの1.9Å分解能の結晶構造解析で初めて明らかにすることに成功した [1].高分解能なPSIIの結晶構造から見えてきた様々な光合成を支える仕組みと,近年のPSIIの結晶構造解析による研究も交えて紹介する.

[1]Y. Umena, K. Kawakami, JR. Shen, N. Kamiya, Nature 473, 55-60 (2011)
主催北海道大学電子科学研究所学術交流委員会
連絡先コヒーレント光研究分野 西野 吉則(内線 9354) yoshinori.nishino@es.hokudai.ac.jp
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