第9897回北大MMCセミナー

一般的に産業界では，非定常流を制御対象とすることが圧倒的に多い．例えば，航空機に焦点を当てると，ジェットエンジン内部では熱エネルギーを抽出するために高速回転させたタービンが熱乱流を発生させ，主翼周りでは安定な浮力を維持するために乱流（正確には，翼上の境界層剥離）を出来る限り抑制することが要求される．このように，非定常流を発生・抑制させることは，産業応用上，重要な観点であるものの，従来の最適設計手法では非定常流の特徴的な空間構造を持つ時間変動場が用いられず，時間平均場を用いて目的関数が定義されてきた． そこで，本講演では，Snapshot PODを活用することで非定常Newton流体から時間変動場の運動エネルギーを抽出し，目的関数を定義することで，効率的に時間変動場の制御を実現する．また，時間に余裕があれば，非Newton流体への拡張やDMDを活用した周波数制御についても言及したい．