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第118回北大MMCセミナー Online開催

掲載日:
講演会
開催日:
日時 2021年6月17日(木) 16:30 – 18:00
場所 Online開催(事前登録制 ご案内【PDF】)
講演者
奥村 真善美
OKUMURA, Makoto
所属等
北海道大学 電子科学研究所
Hokkaido University
タイトル
動的境界条件を伴う放物型偏微分方程式に対する構造保存スキームの最近の進展
Recent advances in the structure-preserving scheme for parabolic partial differential equations with dynamic boundary conditions
概要

本講演では、力学的あるいは動的境界条件と呼ばれる、未知関数の時間微分をその条件内に含む境界条件下でのAllen-Cahn方程式やCahn-Hilliard方程式に対する構造保存スキームを提案する。動的境界条件は、境界上に未知関数の時間微分を含むことから、領域内部の力学系と同時に境界上でも力学系を考えることのできる境界条件となっている。ある動的境界条件を課すと、領域内部と境界上の積分量の総和が保存ないし減衰するといった、特徴的な保存則あるいは散逸則が成り立つ。本講演では、動的境界条件下の問題に対し、降籏らにより考案された離散変分導関数法(DVDM)を用いて、そのような構造を離散的に再現する構造保存スキームを構成する。ここで、DVDMを動的境界条件下の問題にそのまま適用すると、離散変分計算で生じる境界項が複雑となり、適切な離散境界条件の設定が困難となっていた。それに対し深尾らは上記手法を改良し、二種類の動的境界条件下のCahn–Hilliard 方程式に対する構造保存スキームを構成した(Fukao-Yoshikawa-Wada (2017))。しかし、そのスキームは境界条件を全て前進差分で近似しており、空間に関して一次の精度しか得られていなかった。そこで本研究では、エネルギーの離散化と部分和分公式を改良することで、境界条件を中心差分で近似した、空間二次精度の構造保存スキームを構成し、先行研究の改善となる結果を得た。本講演では、そのスキームの構成の仕方や、提案スキームの可解性や誤差評価の結果を報告するとともに、数値実験結果についても紹介する。

連絡先 北海道大学 電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター 人間数理研究分野
長山 雅晴
内線: 3357 e-mail:nagayama(at)es.hokudai.ac.jp
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