ページトップへ戻る
News & Events

高校生の体験入学を5研究室で実施 夢・化学-21

掲載日:
お知らせ
開催日:

8月3日(木)、4日(金)の2日間、本学にて「夢・化学-21 化学への招待 北海道大学化学系への二日体験入学」(主催:日本化学会北海道支部)が開催され、高校生が化学に関する特別講義と化学系研究室での実験を体験しました。電子科学研究所では、スマート分子材料研究分野、生体分子デバイス研究分野、データ数理研究分野、光電子ナノ材料研究分野、インタラクション機能材料研究分野の5研究室で体験入学を実施しました。

光電子ナノ材料研究室にて、講師を務めた博士後期課程2年 辻岡一眞さん(右から二人目)の話に耳を傾ける高校生たち

「不思議なはたらきをする生物表面~模倣構造を作って知る生き物のすごさ~」と題した光電子ナノ材料研究分野のプログラムには、3名の高校生が参加しました。当研究分野では、「バイオミメティクス」と呼ばれる、生物の持つ優れた機能や構造を真似て新しい材料に応用する研究をしています。体験入学では、モルフォ蝶の翅(はね)の表面構造を題材に実験を行いました。モルフォ蝶の鮮やかな青色は、色素によるものではなく、翅表面の特殊な形状によってつくり出されています。このような微細な構造で生じる色を構造色といいます。さらに、モルフォ蝶の翅には、雨などを弾くため撥水性も備わっています。実際に、こうした特徴的な構造を模倣し、化学染料不要で色落ちの心配のない繊維や、優れた撥水性により内側に食品が付着しにくいヨーグルトの蓋などもつくられています。高校生たちはモルフォ蝶の標本を観察した後、辻岡一眞さん(博士後期課程2年)の指導に沿って、構造色を示す微細構造をシリコーン樹脂で再現することに挑戦しました。最後に、自分たちでつくった微細構造とモルフォ蝶の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、比較しました。

(左上)モルフォ蝶の標本(右上)(左下)辻岡さんの指導に沿って、微細構造を製作する高校生たち(右下)完成した、構造色を示す微細構造をシリコーン樹脂で再現したもの。樹脂の中心部が微細構造になっていて、その部分のみ光に透かすと変色して見える

受講した高校生からは、「進学のことや大学院の研究内容の決め方など、細かいことを聞けてよかった。設備が充実していてより一層北大に行きたいなと思うことができた。」「装置などを見て、イメージが湧いた。最先端の技術を作ったり、見つけたりできることが高校とは違い、新鮮だった。」「大学のハイレベルな実験が体験出来て楽しかった。スケールが大きいものがみられて顕微鏡での観察が印象に残った。」といった声が聞かれました。

自分たちでつくった微細構造を手に笑顔の高校生たち。左は光電子ナノ材料研究分野 遠堂敬史特任助教
TOPへもどる