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第163回HMMCセミナー

掲載日:
講演会
開催日:
日時 2025年8月22日(金) 14:30 – 15:30
場所 北海道大学 電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館5階 講義室
※当日、体調のすぐれない方は対面での出席をご遠慮願います。         
開催方法 対面とオンラインのハイブリッド開催(オンラインのみ要事前登録)
オンライン参加はZoom登録申し込み🔗から         
講演者 佐藤 伸
所属等 岡山大学 環境生命自然科学研究所
タイトル シン皮膚再生を実装するベースラインとしてのパラダイムシフト
      「表皮細胞が真皮コラーゲンを作るという事の意味」
概要

本講演では数理研究者にお伺いしたい2点を背景情報と共に講演させていただきたいと思います。
私たちの研究グループは皮膚コラーゲンの形成プロセスの解明と四肢再生メカニズムの探求を、ウーパールーパーを用いて行っています。
皮膚コラーゲンは非常にきれいな編み目を持つタオル生地のような構造です。ほぼ直交する線維が立体交差点を作るように編込まれていきます。
一方で、細胞は「スライム状」のものがイメージされます。
ではどうやってスライムがタオルを編出すのかイメージできないというのが正味のところです。
この問題にコラーゲンの物性からヒントが得られないかを相談させていただきたいと考えています。
四肢再生の方は、ウーパールーパーは手足を再生できます。脳や心臓、かなり多くの器官を再生できます。
私たちは手足を使ってウーパールーパーの再生機構を解き明かそうとしています。
器官再生は「発生過程の繰り返し」と解釈されます。しかし、ふと考えてみると、発生は精々~5㎜のフィールドで起こる事象に対して、
ウーパールーパーの再生は~30㎝(体長)でおこるものになります。
分子特性や細胞の大きさが変わらないのにどうやってサイズの問題を乗り越えるのか?そんな疑問を分子拡散や外形計測から迫っています。
ただ、実験生物学者の限界に達しており、数理的解析をどのように付与するかで詰まっているのでご相談させていただければ嬉しいと思っています。
 サンドバック上等で相談事を持ち込みます。もちろん、聞いていただく先生方に何らかの糧となるような情報もお渡しできればいいなと考えてもおります。

コラーゲンに関しての参考資料
“Keratinocyte-Driven Dermal Collagen Formation In the Axolotl Skin”, Ohashi A, Sakamoto H., Kuroda J., Kondo Y.,Kamei Y., Nonaka S., Furukawa S., Yamamoto S., and Satoh A., Nature Communications, 16(1757), 2025. Correspondence author

四肢再生に関する参考資料
“Allometry in limb regeneration and scale-invariant patterning as the basis of normal morphogenesis from different sizes of blastemas”, Furukawa. S., Yamamoto S., Ohashi A., Morishita Y.*, and Satoh A.*, Development, 151(21), dev202697

主催 電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター
共催 「第2回数理科学x生命科学連携探索セミナー」共同開催 社会創造数学セミナーシリーズ
連絡先 北海道大学 電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター 人間数理研究分野
その他 北大HMMCセミナー
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