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研究内容

量子もつれ合いフィルタ

掲載日:
光量子情報研究分野

光の素粒子である光子は、量子コンピューターや量子通信における情報伝達媒体として有力です。現在、基本素子である「量子ゲート」を複数組み合わせた「光量子回路」の実現が望まれています。「量子もつれ合いフィルタ」はそのような光量子回路の1つで、2つの光子がある特定の量子もつれ状態にあるケースだけを抜き出すことができます。しかし、量子もつれ合いフィルタは量子ゲートの数、古典干渉の数、ともに世界最大級の光量子回路であり、技術的に極めて実現が難しいと考えられていました。最近、私達は部分偏光ビームスプリッタという特殊な光学素子や変型サニャック型干渉計という干渉計を巧みに組み合わせることにより、この量子もつれ合いフィルタを実現することに成功しました。今回の成果は、将来の量子コンピューターや超長距離の量子暗号の実現につながるものです。

2010-04-02

量子もつれ合いフィルタ。

2つの光子のもつれ合い成分を抜き出すことができる、高度な光量子回路を実現。

参考文献: R. Okamoto, J. L. O’Brien, H. F. Hofmann, T. Nagata, K. Sasaki, S. Takeuchi, Science 323, 483 (2009).
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